〜あれから1年〜肺動静脈瘻の発覚と出術から

こんにちは。
ジャズヴォーカリスト、ヴォーカルコーチの東かおるです。

みなさんは健康診断、受けられていますか?
私は今年の分を数日後に予定通り受けに行こうと思っています。

実はちょうど1年前の2019年6月末、私はその健診で異常が見つかり手術を受けました。
発見から手術後までの事は、今でも鮮明に覚えています。。。

でも日を追うごとに薄れるものもあり、なんだか寂しい様なそれで良い様な複雑な気持ちです。

以前のexciteブログをこちらにも記載しておこうと思います。

肺動静脈瘻の発見と完治まで

私の楽器の欠陥

2019年6月6日記

今日は私の楽器の欠陥(血管)についてお知らせしたいと思います。

歌手にとっての楽器は体。
そして人間にとって不可欠な酸素、それを体に送る肺である血管部分に、ごく稀な病気が見つかりました。なんでも10万人に30人程度だとかどうだとか。
そうか、私は超スペシャルなんだ!と言えるようになったのは、ここ数日なことで(^_^;)
病名は、肺動静脈奇形、または肺動静脈瘻。(←リンク参考に)
診断を受けた時は聞きなれない言葉と動揺で覚えることすら出来ず、担当医が直々に私のスマホを取り入力して頂きました。
2019年のこの春、共演者でママ友の浜村昌子さんのがん闘病の末での逝去もあり、健診でいくつか初めて付けてみたオプションに肺がん検診を軽い気持ちで入れてみました。
そしたら再検査通知があり、二度によるCT検査で判明しました。
(これはきっと先日49日を終えたばかりの浜村さんからのメッセージだったのかもしれないなぁ、ありがとうー)
先日は人生初の造影CT検査で、自分の肺の血管の3D画像を見て、愛おしく感じると共に、改めて事の重大さを確認しました。
肺の中で交わることのないピンク色した動脈と、水色の静脈が結合し、その部分が小さい固体になっていました。
本当に稀な先天的要素の強い病気だそうです。
おまけに、再検査で折角CT撮るんだったら、シンガーなので声を響かせる部分である鼻腔も見たいし肺以外の撮影を何げに依頼したら、何と脳にも異常が見つかりました。
肺と関係性があるかどうかは今はよく分からないみたいですが、もうこれを言い渡された時点で私は意識を失いそうになりました。
しかし、たまたまの検診オプションに、たまたま範囲を広げたCTで見つかるという、ラッキーとしか言いようが無い。。。
症状が無かっただけに驚きを隠しきれない自分がいますが、色々この病気を調べているうちに気になったことが。
ここ1年日常生活を送る上で、呼吸がしづらい、呼吸が浅いと感じることが多かったのです。
急いで小走りした後や、蒸し暑かったり、満員電車時等。
でも不思議と歌を歌っている時は全く感じたことがなかったです。
なので、「そうか、、40代入ってすぐにもう更年期に突入か!」などとよく女性の方とお話したりしていました。
この病気は殆ど初期症状が現れないそうなんですが、低酸素症、呼吸困難、チアノーゼetc…が徐々にでてくるそうです。
ああ、読めば読むほど息が出来なくなりそうですね、ハアハア(´Д`;)
発見されたその固体の大きさ、その血管の太さを判断され、実は今月、急遽手術と入院になりました。
この分野の専門医のいる大学病院へ紹介状も書いてもらいました。
そう、まだそちらの先生に会う前に、予約の時点で手術が決定してしまっているという・・・。
カテーテルを肺に入れる手術だそうで通常なら簡単な処置だそうですが、私のケースは頻度の低い手術なので、まぁ検索しても少ない少ない(^^;) 術後の事についてやらが今は見えない状態です。そうそう入院は長くないようですが。
今月のライブやレッスンは何もない限り、させて頂きます。
ただ、まだ定かでない月末の手術・入院の日程によっては変更も生じる可能性が出てきてしまいました。
生徒発表会を来月に控えてもいるので、その場合はなるべく来月に対応出来れば、と思っております。
こういうナーバスな事はあまりSNSで書かない方が良いのかもしれませんが、これも含めて私であり、こんな楽器の状態であったのにも関わらず今までも歌ってきたし、近年はさらに歌唱法もブラッシュアップし歌いやすくもなっていたところでした。
これから、通常は無意識でよいはずの体の血管や酸素レベルまで意識をして生活していけるだなんて、私は体が楽器の歌手として仙人の域にまで到達するのか否や、そうご期待★
非常に稀な例ではありますが、今後どなたかのお役に立てれば、また関係者や周りのみなさんにお伝えできれば、と思い書きました。
長々と読んで頂き有難うございます。
さて、今日も余裕を持って仕事に向かおうと思います。
みなさんもお体に気を付けて下さいね。
2019年6月6日
東かおる

いよいよ

2019年6月26日記

なんと長く感じた1ヵ月だったろう。
なんとなく受けた4月の肺がん検診で引っかかり、再々CT検査で今まで耳にしたこともない肺動静脈奇形と言う病名を診断され、いよいよ明日から入院と手術になる。

肺内の動脈と静脈が結合していることによる低酸素症、フィルターでもある毛細血管を介していないため血栓や細菌が直接血管に戻って脳や心臓に合併症をきたしてしまうというリスクもあり、その結合部分にコイルを詰めて閉鎖するカテーテル手術になるそうです。
医師からは、普通に今まで通り生活してくださいと言われてもなかなか1番それが難しく、加減をしながら生活した1ヶ月。
普段のレッスン仕事に加え、ライブやワークショップもあったので、キャンセルせずに無事にこなせるのだろうかという心配からさらに呼吸がおかしく感じたりすることも多かったですが、何とか最後までやりきれました。
その中で1番心配したライブだったのですが、その日1日の準備段階が1番プレッシャーと格闘した時間だったのですが、一旦リハーサルそして本番となると意外にも1番リラックスできる時間だということがわかりました。
日常生活の中では感情の起伏による心拍数や呼吸が乱れがちですが、一旦音楽に身を委ねるとその曲の中でのテンポはほぼ一定であり、息を使う歌唱ではあるけれども、自分でその音楽&呼吸の流れをコントロールできるものでもあるので、歌いながら自分自身がリラックスできる感じが掴めました。
これはこういう状況であるからこそ体感できることかな、と思います。
音楽は聴く方も癒しになりますが、演奏する側も同時に癒しになっているんだ、と強く感じました。
ある方が、「じゃあ東さんは、今まで高山トレーニングをしていただけだったんですね。」と。
最高じゃ!笑
術後はスゴイ事になりますからね〜〜、たぶん。
退院日数はまだはっきりとわかっていないのだけれど、1週間以上にはならない模様。
それで昨日1日で自分の入院準備と、約1週間分の娘の小学校や習い事の準備と、着る服の準備やらで疲れました💦
母親の日々の仕事と言うものはものすごい量ですね〜〜。
これからしばらく旦那さんには相当な家事仕事もしてもらうことになりました。
今度どこかで見かけたらぜひ労ってあげて下さい笑
最後になりましたが今回の入院でキャンセルになりました仕事関係者の皆様、ご迷惑ご心配をおかけしております。
今後ともよろしくお願い致します。

肺動静脈瘻さらば

2019年6月30日記

先日 、経カテーテル・コイル塞栓術手術が無事成功しまして退院の目処が立ちましたことを報告致します。
ブログやSNSを読んでいただいて沢山の方から心配や励ましメッセージをいただきました。
今回の入院手術ではとてもそれに励まされました!心からお礼を言わせていただきます。
本当に有難うございました!
 
本来交通することのない動脈と静脈が結合していることにより、肺に静脈を通して運ばれてきた細菌や血栓が毛細血管を介さずそのまま動脈に入って全身に運ばれてしまうという様々なリスクが生まれてしまうこの稀な病気は、どうやら先天性らしいようでこの肺動静脈瘻をおそらく持ち続けてこれまで生きてきた私は、今回の手術を持って普通の体となり、血管の奇形も完全に消失しました!(静脈も1つ既に消失しましたが)
肺動静脈瘻さらば_b0148714_23284262.jpg 自作イラスト
これから労作時のしんどさや(今まで普通だと思っていた)、今後の脳や心臓への合併症の心配もなくなりました(脳の検査はまだこれからも続きますが)。
 
年に1度の検診でたまたま付けたオプションの肺がん検診で異常を見つけてくださった畷生会病院の先生、そして今回、大阪医科大学附属病院で手術をしてくださった先生、スタッフの皆さんに感謝をするとともに現代医療によって生かされたこの命と体をこれからも大切に生きていこうと心に誓いました。
 
数日はゆっくりしますがゆっくりと通常運転に戻ります。ライブも予定通りやります🎤
(カテーテル手術なので傷口は小さく、回復は通常の手術よりも早いですのでご心配なく)
 
皆さんのお気持ちやお祈り、しっかり届きました。
どうも有難うございました!
 
2019年 6月30日
東かおる
以下、手術等の内容を詳しく記載しています。
お読みになりたい方はどうぞ。
※長文注意

手術記

カテーテル手術は局部麻酔で行われるため、術前後はおろか術中も意識があります。
今まで見たことも上ったこともない放射線室の手術台に登った時点で体の震えが止まらなかった私に担当医が、
「最新の医療器械による最高の医療技術を持ってあなたの病気を治します。安心して!」
というような言葉だったと思うんだけれども、はっきりとそして目を見て伝えて頂いて、私はずっと震えているんだけれども、とても先生方がカッコ良くて言葉は幼稚だけどヒーローのように見えました。
でもやっぱり体の周りにたくさんの機械やモニター、手術の準備をされる人たちの動き、そんなものにやっぱり圧倒されてしまって震えはずっと止まらず、精神安定剤を投与してもらってもまだ震えは止まらず、カテーテル手術を一緒になってやってくださる別の科の先生からも
「大丈夫、任せて!」
と言う言葉に徐々に体の震えと心の緊張は和らいでいきました。
 
足の付け根からカテーテルは心臓を通り問題のある肺まで動脈を通り入って行きます。その間造影剤などを使用しているため体中の血管が熱く感じたりしますが、血管には神経がないので痛みは全く感じません。
放射線科の先生と循環器科の先生がタッグを組んでカテーテルとコイルを入れていかれるのですが、この間一体何度呼吸の指示があったは知る由もない。
「はい、大きく吸って、止めて、普通に吸って、止めて、小さく吸って、止めて。」
(ふふ、シンガーの私にとって3段階呼吸なんてお茶の子さいさいよ〜ってのは冗談で、マジで歌やってて良かった、と感じました)
撮影時の為か心臓を通過する時の為か私はわからないんだけれども、とにかく意識のある局部麻酔でなければ先生と連動できないこの呼吸の動きに、先生達と一緒に手術を進めていった感がなんというか達成感というか一体感というかを感じました。
「あなたの手術をどうしても6月中にしたかったんだよ。」
という言葉をお聞きして手術室を後にしたけれど、それがどういう意味だったのかは分からないままだけれど、命を助けていただいたのは確か。感謝✨
 
先生が手術の報告を家族にしてくださる時、主人にはしっかりと英語でも受け答えして下さり、助かりました。
お医者様というのは、最高のプロフェッショナルですね!カッコ良すぎです!
 
ちなみにカテーテルが心臓・肺に行く際、不整脈が発生するそうなんだけれども私は毎回ポコッポコッというものを感じました。
「今、心臓通った!」みたいに分かるんですw
そんなことを後に看護師さんに言うと驚かれました。
ふっふ、これは実際やってみないとわからないものですね。
 
術後1日目は、私の場合は血圧が下がりすぎてしまいほとんど歩けない状態でずっとベッドに横になっていましたが、 2日目からはもうだいぶ回復してきました。
カテーテルなので絶食は一食分のみで、入院中は上げ膳据え膳の美味しい食事をしており、入院によるダイエットを少し期待していた私ですが大きくかけ離れた入院生活を送っています♬
 
呼吸器科の先生には、
「このあなたの体でずっと歌を歌われていたという事は相当肺活量があるんでしょうね。」
と驚かれました。
考えてみたら、子供の頃は10年ちょっと水泳を習っていたし、やっぱり自然と普通の人よりは鍛えられていたのかなと思います。
でも、よく疲れがちだったんで、それは体に問題があっただなんて、今回は世紀の大発見でした(大袈裟💦)。
 
 
入院中、病院にあった本を1冊読みました。随分と前に関西のとあるジャズストリートでお見掛けしたことのある五木寛之さんのものです。
とても心に残った文をここに抜粋しておきたいなと思います。

「人生の目的」五木寛之 著

こうして私たちが選ぶもっとも自然な道は、与えられた運命と宿命を、人生の出発点として素直に受け入れることだろう。「受容する」と表現してもよい。受容することは敗れることではない。絶望することでも、押し付けられることでもない。運命を大きな川の流れ、そして宿命をその流れに浮かぶ自分の船として、自ら認めることである。そこから出発するしかないのだ。

自己の運命と宿命を受け入れた上で、さて、それからどうするのか。答えは1つしかない。それは「生きる」ことである。生きて、この世界に存在することである。自分で命を投げ出して、枯れたりせずに生きる。みっともなくても生きる。苦しくとも生きる。

生きる事は「運命」と「宿命」の間に身を置きつつ、それを素直な気持ちで受容することである。耐えて、投げ出さずに、生き続ける。それしかない。そうすれば運命と宿命の結び目が、ひょっとして思わぬもつれ方や、解け方をする場面に、出会うかもしれないと私は思う。

生活のディテールを愛するということがいかに大事かということです。
肺動静脈瘻さらば_b0148714_23285753.jpg

私の肺の動脈と静脈の“もつれ”はひょっとして運命と宿命の結び目だったのかな、これから自分をどう解き放っていこうかしら、と考えて止みません。

完全体!

2019年7月8日記
退院して約1週間。
日々のレッスンと子供の行事やらでオフは1週間で1日しかなくその日にこれまた運良く通院日となり、先日はカテーテル手術後のレントゲン撮影と傷跡のテープを剥がしてもらうことに。
経過は良好とのことで一安心。
血管の瘻を閉鎖したコイルは動かずきっちり固定されてあり、またカテーテルを通した傷跡の小ささにかなり驚きました!
医療技術の進歩って本当に感動ものですね。
そして今日は合併症が脳の方にあるかもしれない、ということで、生まれて初めてのMRI検査をしました。
ひょっとして私にとっては今までで1番辛い検査だったかもしれないなぁ。
ここ数年特に閉鎖恐怖症に悩まされていて(これもひょっとしたら肺血管の病気による低酸素症もあったかもしれないけれども)、そのMRIの機械の大きさや長さそして音に圧倒されてしまい、イヤプラグとヘッドホンをされて、顔を上から被さるもので固定された時点で、私やっぱり無理です!と技師さんに何度も訴えてしまったほど💦
10数分MRIの筒中でめっちゃ踏ん張り、ほどなく終了。
フラフラ。
その後脳外科の先生から
「これ以上良くすることはできませんよ!😄」

と言われ笑顔で診察室を後にしました。

脳への合併症はの疑いは確実にないと言うことで今回の病気の発見による不安な日々は本日をもって終了いたしました!!!😹

わぁーーーーー、数ヶ月ぶりに心が晴れたぞーーーーーー🌈
昨日から沢山あんみつを頂いているので、お昼ご飯の代わりにあんみつをほおばっている私でした。先程のブログに7月のライブをアップしました。
完全体!_b0148714_13361909.jpg
体力も徐々に回復し少しずつ声も出しています。
困ったことに歌唱法を少し調節しなければいけなくなっていて混乱しています。
というのも、手術により酸素濃度が通常の人になったことによるためです!
この病気がもし生まれ持ってなら私は今までやはり“高山トレーニングをしていた?”ということになり今回初めて下界に降りて通常の人の呼吸ができているということで、とにかく普段の生活が楽になり少し歌を歌っていてもその肺に残った酸素が多いことにより、今までと少し体の感覚が変わってしまいました。
本当に驚いているし人生の再スタートっていう位細胞レベルで変化を感じているし嬉しいんだけれども、以前の体があっての歌唱法だったのでこれから微調整をしていきつつ歌っていくことになります😄
先日お会いした医師にもそのことをお話しすると、
「体が良くなったからといって全てが良かった、と言うことでは無いのですね。」
と言うこれまた深いお言葉。
それほど私たちボーカリストの楽器は未知に満ちており深く、いとおしいものですね。
今月は名古屋にも久々に歌いに行きます。考えてみれば今まではオリジナルを歌うバンドでだったので、ジャズスタンダードメインで歌いに行くのは初めてかもしれません。
名古屋の皆さんにお会いできるのを心から楽しみにしております。

 

その後1年後

しかし、数日間のブログをまとめると長いですね笑。

その後は定期的に病院で検査を行っています。
毎回CT撮影画像を元に、血管に詰めたコイルが動いていないかをチェックして頂きます。

お陰様で経過良好です。

有り難いとことです。

まさかこの手術から一年以内にコロナで世の中が変わってしまうなんて、思いもしながったけれど、生きているだけで儲けもんですし、上にシェアした五木寛之さんの本にも書かれてありました一文生活のディテールを愛するということがいかに大事かということ、そんなことを再確認もしたかったので、以前のブログをまとめてみました。

 

最後までお読み頂き、有難うございました。
みなさんも、お体大切にお過ごし下さいね。
そして、健診もお忘れなく!

 

 

 

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