10/23 ライブレポート
リーダーライブについてあえて書いてみる
私は20歳そこそこからジャズライブをスタートし、かれこれ20数年が経ちます。
その間プロとして歌ってきているので、大概のライブ形態は経験済みです。
今日はそのライブ形態について書いてみようと思います。
ボーカリストとしては大きく分けて2つあります。
①用意された会場とバンド編成で歌うもの
②自らが会場やバンドメンバーなどを調整して歌うもの
①は受動的。
②は能動的。
①だから、②だからと良いも悪いもありませんが、①はお店や関係者やミュージシャンに呼ばれて伺うもので、ボーカリスト側でミュージシャンの選定をする機会は少なく、選曲に関しても日によってはリクエストされた曲オンリーを歌う時もあります。
変わって②は、俗に”リーダーライブ”と呼ばれ、ボーカリストが「いつ」「誰と」「何を」「どこで」したいかが明確にある上で、それらの調整をボーカリスト自身がブッキングして行くものです。
ギャランティーの提示や打診があるのは①の場合が殆ど。
②の場合は、チャージバック制を用いた場合が多いです。(※チャージバックとは、お客様の頭数✖️ミュージックチャージ✖️お店との契約パーセンテージ)なので、プレッシャーが多いのも事実。
・お店はどんな感じかな?
・お客さん来てくれるかな?
・SNS投稿や個別メッセージなどといった「集客」
・ミュージシャンの誰に声をかけたらいいかな?
・譜面には問題ないかな?
・リハーサルはどうしたらいいかな?
・ミュージシャンにはいくら支払えばいいのかな?といった「コミュニケーション」
などが特にボーカリストとして心配や不安要素だと思います。
個人的にはボーカリスト全員がリーダーライブをする必要はないと思っていますし、性格や方向性も様々なので、サイド的出演や呼ばれてのライブをメインでする方もたくさんおられます。(私は基本、サイドメン的なスタンスが好きなジャズボーカリストです☺️)
定期的にやっているライブのお知らせを見た方には、どれがリーダーライブでどれがリーダーライブでないか?は検討のつかない事だと思います。
その理由の一つに、ボーカリストはいつもメンバー表のトップに書かれるためです。
全てのライブ演奏が”リーダーライブ”に見えてしまうには、その様な目に見えた情報があります。
でも、実際にはそうでないパターンもあるのです。
ここ10年ほどの私のライブは”そうでないパターン”の方が多くなっていました。
現在は子育てママの身。ライブ以外にもレッスンやプロデュースなど他のお仕事も日々あります。
昨今は特にリーダーライブをすることはエネルギーや準備の要る”大掛かりなこと”となっていました。
キャリアが長くなってきた私ですから尚更、リーダーライブの大変さや大切さが解るだけに。
それが今年の春、ある方に「〇〇(会場)でガッツリとリーダーライブやりましょう!」
とオファーを受け、重たい腰をあげたのが先日の京都でのライブ。
とは言いつつも、私がボーカリストで参加しているギターでアレンジャーでもあるJesse Forestのバンドを借りる形で”リーダーライブ”をしました。
準備する期間は何ヶ月もあったのに、当日ギリギリまで譜面や曲の準備、集客、リハーサル、メンバーや関係者との連絡でやっぱり忙しく、本番当日はもうヘトヘト( ̄▽ ̄;)
ただでさえメンバー6人編成という大所帯。
これでベストな声なんか出るんだろうか?と心が折れそうになる事がい~~っぱいありました。
当日リハーサルでも、曲に対する私のアイデアやアレンジは正解なんだろうか?とか、折角の”リーダー”なんだから、ここでチャレンジしたい音楽的な心配もありましたが、あとはメンバーと自分を信じて「えいっ!」ってやって楽しむのみ!
と迎えた本番ライブ。
あー、最高だったーー!
やって良かったーー!!
リーダーライブをすることは、リスクを得ることでもありますが、それ以上に得難い達成感もあります!
そして何よりも多幸感に尽きます!
そんなスペシャルなひと時を一緒に楽しんでくださるリスナーのお客様あってのことです!喜んでいただけた瞬間、全ての苦労が吹っ飛んです!
しかし今回は重たい腰を上げてみて本当に良かったと思っています!
またこのメンバーでリーダーとしてブッキングしたいと思っています。
そう思えばすぐに行動へ移さないと、日々に追われている内にどうしてもまた腰が重たくなってしまうのも事実・・・(苦笑)。
どなたか、思い出した頃に「東さん、ブッキングしましたか?」と確認作業をお願いします(笑)。
ということで、ボーカリストやミュージシャンが”リーダーライブ ”とうたったライブがあると、ぜひ特別視して会場へ足を運んでみて下さい!
喜んでいただけること、必至です!笑