Wordless Singing / ワードレスシンギング

こんにちは。
ジャズヴォーカリスト、ヴォーカルコーチの東かおるです。

先日、とあるプロジェクトのレコーディングを終えました。

ヨーロッパの国際コンペティションで優勝をされた経験もおありで、現地オーケストラとも共演経験のある作編曲家・ピアニスト枡田咲子さんのオリジナル曲をジャズオーケストラとVOICEで歌ってきました。

実はこの歌唱スタイルが私は随分と前から大好きで、歌っていて心から喜びを感じる瞬間です。

二十歳の頃から声作りの為にクラシックを習っていましたが、その歌唱法が今となってはジャズというジャンルで多いに役に立っています。

ここ10年ほど、アメリカや日本のアーティストから依頼を受けることも多く、私自身もこの歌唱スタイルはトレードマーク的にもなっています。

今日のテーマは、そのVOICE歌唱=Wordless singingについて。

Wordless Singing / ワードレスシンギングとは?

Wordless singing is what I call it, but the absence of words doesn’t mean there is no story to tell. On the contrary, the artists I have chosen are masters of storytelling through song-no words needed. Their humanity emerges through both the vulnerability and the strength of their sound. They have opened a door for many of us who wanted to go beyond scat singing. (Jazz Times)

声は楽器の一部

歌は歌詞で歌うことが一般的ですが、中には歌詞ではなく『声』=『VOICE』として、楽器の一部であるかの様に用いられる音楽があります。

近年の欧米ジャズシーンにおいては、稀にそれを耳にすることがあります。

 

そもそも歌詞で歌わないいうことは、ジャズでいう『scat / スキャット』とどう違うのか?

と言った疑問も出そうですが、また別のものです。

一番多くみられるのは、ジャズオーケストラや大きい編成のバンドの、楽器の一つとして有効的に使われます。

ボーカルにありがちなメインでの立ち位置でなく、あくまでもアンサンブルの一部です。

そして、その多くは作曲家によって書かれた譜面通りのメロディーを歌うことになります。

対してスキャットは、ボーカルはメインである立ち位置で、ジャズにおいてはBebop的なシラブル(音節)による、即興要素の高い歌唱になります。

スキャット (Scat)とは、主にジャズで使われる歌唱法で、意味のない音(例えば「ダバダバ」「ドゥビドゥビ」「パヤパヤ」といったような)をメロディーにあわせて即興的(アドリブ)に歌うこと。この歌唱法は、「歌」というよりも声を一つの楽器として表現することが目的である。ジャズ・ミュージシャンのルイ・アームストロングが第一人者として知られる。収録中に歌詞を忘れてしまい、適当な言葉で歌ったNGテイクがスタッフに受けて、そのまま使用されたのがこの歌唱法の起こりだという。 (Wikipedia)

 

必要な歌唱技術

Wordless singing(ワードレスシンギング) をするには、ソロで歌う以上に歌唱技術が要ります。

先に書いた様に、例えばジャズ オーケストラのアンサンブルの一部である場合、Voiceが主張しすぎてもいけません。

私・東かおるのこれまでの経験から必要であろう歌唱技術を書いてみます。

  • 声質のコントロール
  • 広音域
  • 読譜力
  • シラブル(音節)の応用力
  • 周りを聴く力
  • ブレスコントロール
  • 休符・ソロ時の小節数カウント力
  • 想像力(特にオリジナル時)
  • 前例を知っているかどうか

これだけを見ると、かなりミュージシャンシップ力や音楽テクニックが必要になってくることも分かります。

最後の”前例を知っているかどうか”について次は掘り下げてみます。

 

Wordless singing おすすめ動画

なるべく歌っている姿が分かる動画をチョイスしてみました。

 

Maria Schneider Big Band で歌っているブラジリアン・ジャズヴォーカリストのLuciana Souza

 

ピアニストKenny Wheelerと長年共同プロジェクトを続ける、イギリスを代表するジャズヴォーカリストNorma Winstone
長年のそのクリエイティブな活動は、世界中のクリエイティブ系ジャズヴォーカリストに影響を与えている。

※このブログのサムネイル画像にノーマウィンストンを器用しました。

 

Pat Metheny Groupは躍動感のあるVoiceを多用しています。この時はパーカッションのPedro AznarがVoiceも担っています。

 

他にもVoice的ジャズヴォーカリストは沢山おりますが、挙げればキリがないので、私の大好きなシンガーを。

ブラジルのヴォーカリストTatiana ParraとピアニストAndres Beeuwsartのプロジェクトから。

 

NYで活動するヴォーカリストSara Serpaのプロジェクトから。

 

東かおるwordless singing動画

 

私が参加している音源もあります。

①グローバルジャズオーケストラとの共演、私のNY時代の恩師からプレゼントして頂いたオリジナル曲♩Osaka June(0:55〜)です。

 

②冒頭に書いた枡田咲子ジャズオーケストラとの音源です。

 

③主にインストゥルメンタル曲(器楽曲)ばかりを集めたアルバム『Footprints in New York』で私の声の2声と、トロンボーンとの3声アレンジをした♩Footprints

 

④作曲家・ピアニスト西山瞳との共同2作品はWordless singingを多用しています。

2013年『Travels』

 

2020年『Faces』

 

 

まとめ

Wordless Singing(ワードレスシンギング)とは、声を楽器の様に表現したアンサンブルの一部を担い、即興で歌うジャズのscatとは違い、譜面に書かれたメロディーを独自のシラブル(音節)を駆使して歌うものです。

アンサンブルする為であるので歌唱技術は要りますが、人の声が混じることでより音楽に躍動感や重厚感やリアルさが加わります。

私的には今後もさらにWordless singingにトライしてみたいですし、何よりも、Voiceを楽器の一つと捉えて作曲される方が増える事を願いたいです。

みなさんもぜひ今日からいろいろ意識して上の音源を聴いてみて下さいね。

 

 

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